俺はお前だけの王子さま

加奈子は私を見た。


「ん？当たり前じゃん？」


そう言って笑顔で首を傾げる。



当たり前だよ、と言ってくれた
加奈子の反応が嬉しかった。


優しい加奈子…


だけどね


「当たり前じゃないんだよ？
加奈子は優しい」



「……どしたの？」


分からないって顔をする加奈子。


私は首をふる。


「ううん。加奈子がだいすきなの」


私の言葉に少し照れる加奈子。



もっと打ち解けたい。


本当はずっと打ち解けたかった。


でも、自信も機会もなかった。


旅行中はずっと一緒にいれるから…


少しずつでも
自分から加奈子に歩み寄ろうと思った。