俺はお前だけの王子さま
さらに―…


その言い合いを鎮めて渡瀬たちを庇ったのは


あの徳井らしい…




マジで…?

まじかよ…




この俺にあの日
《もっと上手くやれよ》
なんて忠告してきた徳井。


助けられて…

俺をさらに惨めにさせた奴…



徳井の余裕げな
むかつく顔が思い浮かんだ。











ヒロキが急に歩みを止めた。


「…あ?」


首を傾げる俺に

ヒロキは振り返りながら
しーっと口に人差し指を当てた。



なんだ…?



耳を澄ますとヒロキが止まった角の向こう側から声が聞こえてきた。



『女の子の嫉妬って怖いよね…』



俺はすぐにわかった。



この声は…

徳井だ。


そのあとから夏木と渡瀬の声も聞こえてきた。



アイコンタクトを送りあう
俺とヒロキ。




俺たちはそのまま
様子を伺う事にした。



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