俺はお前だけの王子さま
秘密の夜
露天風呂で
昨日よりも体を念入りに洗うヒロキ。
ヒロキがやると、マジで冗談に見えないんだよな…
そんな俺の視線に気付いたヒロキは、泡だらけの両手で胸を隠した。
「春馬くんのエッチ…」
恥じらうヒロキを
俺はしらけた顔で見た。
「お前…マジでキモいから。」
そんな俺の言葉にウケるヒロキ。
何がおもろいんだか…
ヒロキは再び
ゴシゴシ体を洗い出す。
「だってよ~?何があるか分かんないじゃんかよ」
「はぁ?」
「はぁ?じゃね~よ。修学旅行の夜だぜ?」
いやらしく笑うヒロキ。
またこのエロ顔…
「お前の頭マジでどうにかしろ」
俺はヒロキのだらしない顔に冷たくしたシャワーをぶっかけた。
叫ぶヒロキ。
ざまあみろ。
俺はヒロキを放置して露天風呂に浸かった。
お湯に浸かりながら丸い月を見る。
今日で最後の夜か…
なんつうか、あっという間だ。