俺はお前だけの王子さま
ヒロキは持参したトランプを
鮮やかな手つきできる。


「大富豪だけど…ルールは分かる?」


ヒロキの問いに頷く女2人。


ヒロキはトランプを配りながら続ける。


「せっかくだから特別ルールにしない?」


「特別ルール?」


夏木の問いに
ヒロキの口元が艶かしく上がる。



俺は…

ヒロキが企んでることが
だいたい見えた。


おおかた…


こいつの大好きな王さまゲーム的なノリだろ。


だけどなんで急に…


どう考えても
渡瀬たちのキャラじゃねぇ。


引かれるぞ?




ヒロキは爽やかに笑いながら言った。


「貧民は大富豪の命令を聞くんだ。どう?」


「え…」


ヒロキの言葉に予想通り戸惑う2人。


やっぱな…。

そらそうだ。


渡瀬や夏木はそういうゲームをするタイプに見えねぇもんな…



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