俺はお前だけの王子さま
「渡瀬が」
ゆっくり口を開いく
王子くん。
「渡瀬がマジで嫌なら」
「うん…」
「俺が、なんとかしてやる」
「………っ」
そう言うと
王子くんは少し考えるように
視線を反らした。
「まぁ…渡瀬が嫌ならだけど」
「…………」
あの王子くんの
半ば信じられない言葉に
どうしよう…
嬉しい…
胸がドキドキした。
だけど…
同時に水梨くんの
真剣な顔を思い出して―…
王子くんのこんな言葉に
喜ぶ自分になんだか罪悪感が芽生えた。
本気だと言ってくれた
水梨くん。
こんな私に。
好きだって言ってくれた…。
やっぱり
自分ではっきりしなきゃ駄目だ