俺はお前だけの王子さま
「愛子ちゃんたち海行くの?」
放課後、帰る支度をしていると
水梨くんがやってきた。
私の前の席に、
椅子の背を抱くようにして座る水梨くん。
「海なら4人で行こうよ♪」
水梨くんは私の机に頬杖をついて少し上目遣いで顔を寄せてくる。
ち、近い…
「ん、いいよ」
私は顔を反らしながら
苦笑いした。
水梨くんは…
なんだか最近、近い。
いろいろと。
女の子慣れしてるのか…
性格なのか…。
どちらにしろ私にとっては慣れないその距離感に
毎回少し戸惑ってしまう。