俺はお前だけの王子さま
「私とも遊ぼうよぉ~」
いつの間にか教室に来ていた
派手めな女の先輩が水梨くんに近付く。
「最近ずっと、淋しいよぉ?」
水梨くんにタッチしながら
私をチラチラ見てる。
またこういう視線…
胃が…痛い。
「ゴメン、俺今回は真剣なんだよね。」
爽やかに微笑む水梨くん。
「え~…つまんない。欲求不満で死んじゃう」
長い爪の先輩は
軽く水梨くんの頬をつまんだ。
「男なんか世の中いっぱいいるじゃん」
「もうっ普通のじゃヤなの~」
「俺も別に普通でしょ」
水梨くんの台詞に
きゃははと笑う先輩。
「ヒロキが普通ってあり得ないし。もぅ、ヒロキが駄目なら王子くんでも良いから紹介してよぉ」
甘えたように笑いながら
先輩は遠くにいる王子くんを見た。