俺はお前だけの王子さま
「あ~…」
水梨くんは苦笑いしながら
くしゃくしゃと頭をかいた。
「それは自分で頑張って?」
「え~?」
「てか…ウザいから」
「え…?」
笑いながらも
声が全然笑ってない水梨くん。
心臓がどくりとした。
なんだか…怖い。
先輩もびっくりしたようだった。
「……っ」
一瞬泣きそうな顔をした先輩はそのまま足早に帰っていった。
先輩が去ったあと―…
少し気まずい私を見て
水梨くんは困ったように少し笑った。
……っ
無理に笑う水梨くんを見て
なんだか胸が痛んだ。