俺はお前だけの王子さま
「あ~…胸くそ悪い」
そう言って、
水梨くんは崩れるように私の机に伏せてしまった。
「…………」
確かに…
あんな言われ方ないよね。
水梨くんがダメなら
王子くんなの?
「だ、大丈夫?」
伏せた水梨くんの
頭に話しかける。
「ん~。無理…」
「だ、だよね…」
バカな質問と返事しか出来ない…
そんな私に水梨くんは
伏せたまま言った。
「愛子ちゃん、なでなでして?」
「え…」
えぇ…?
そんな…
さすがにそれは――無理だ。
水梨くんの薄茶の髪をみて
戸惑う私。
さわると柔らかそうだ…
だけど出来ないよ…
私が戸惑っていると
水梨くんは起き上がって笑顔を見せた。
「うっそ♪別にこんなの慣れてるから」