俺はお前だけの王子さま
弁当を食べながら渡瀬たちと
爽やかに談笑するヒロキ。


よくそんなに会話が続くよな。


完全アウェイな俺。

まぁ加わる気もないけど。



俺はしらけながら
耳だけで会話を聞いていた。


「そういや渡瀬さんって放課後は何してるの?」

「家事とか掃除とかだよ。」


「え?渡瀬さんがしてるの!?」


「うん、まぁ家庭の事情でね」


「そうなんだぁ…すごいな
渡瀬さんって」


「いや…別に普通だよ。」


「いやいや偉いよ!もしかしてその弁当も渡瀬さんが手作り?」


「うん。」


「まじで!?すげ―」


ヒロキは手を伸ばして、少し
離れて座る俺の背中を小突いた。


「おい春馬も見てみろよ。まじで凄いよ!」



ちっ…

こっちに振るなよ…

めんどくせぇ。


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