俺はお前だけの王子さま

パラソルの下に渡瀬と夏木を残して

俺とヒロキは売店に昼を買いに行った。


途中逆ナンに合うのを適当にスルーしつつ


売店の列に並ぶと
ヒロキが話し出した。


「なぁ、春馬~」


「ん?」


「俺、昼からしばらく愛子ちゃんと2人になりてぇんだけど」


「…はぁ?」


「ほんの2~3時間だし。頼むわ」


パチンと顔の前で手を合わせて
目を閉じたヒロキ。


「なに…言ってんだよ。んじゃ俺は帰るし」


「おま、そんなん加奈子ちゃんに悪いだろ~?」


「…ふざけんな。海に誘ったんはお前だろ」


「まぁまぁ、怒んなって。」


軽く笑うヒロキ。


「…………」


こいつの自由きままは慣れてるつもりだったけど…


渡瀬とヒロキが2人きりになる所を想像すると、


俺はどうしようもなくイライラした。


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