俺はお前だけの王子さま
「そ。男と女の大事な話」
「は?」
「愛子ちゃんって、ちゅうしたことあんのかなぁ?」
「…は?」
「今日は俺がんばる予定だから」
…はぁ?
マジで…言ってんのか?
足が鈍く止まってしまった俺をヒロキは振り返った。
「おい、焼きそば冷めるぞぉ?」
今の俺には場違いな程
能天気なヒロキの声。
ヒロキを見ると
手招きしながら首を傾げ、
笑顔をみせていた。
俺の気持ちなんて
とっくに見抜いているはずのヒロキ。
…なんで笑えんだ?
意味がわからなかった。