俺はお前だけの王子さま
ますます鬱になる俺に
夏木は続けた。


「あ、でも愛子は気付いてないよ?というか、色々複雑で…」


「…は?」


複雑?


「ん~とね…愛子って、もしかして?とか思っても絶対信じないというか…。期待するのが怖いみたいなとこあって」


「あぁ…」


俺は修学旅行の夜
こっそり聞いていた話を思い出した。


複雑な何かが徳井との間にあったらしい…。



「王子くんはヒロキくんが強引に愛子と付き合うこと、止めないの?」


「あ~…まぁ。渡瀬が限界きたらそりゃ助けるけど…。だけどそもそも俺に関係ねぇし」


「え~??」


「っつうか…」


俺は少し体を丸めて頭をかいた。


「つうか俺より徳井が助けた方が渡瀬的にも良いだろ。」



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