俺はお前だけの王子さま
濡れたままの体にパーカーが気持ち悪い。


足に砂がまとわりついた。


海水浴スポットから
少し外れた頃


「俺さぁ、迷惑…?」


「…え?」


「ごめんね?」


突然の水梨くんの声に
私が顔をあげると、


水梨くんは悲しい笑顔をしていた。


ズキン…


「………っ」


胸が締め付けられる。


水梨くんは…ズルい。


そんな顔をされたら
何も言えなくなっちゃうよ…


そんな私に


「ごめんね…?」


もう一度謝る水梨くん。


私は俯きながら首を振るしか
出来なかった。



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