俺はお前だけの王子さま
水梨くんは
小さく息をはいた。
「中学の時に俺、初めて彼女できてさ」
「うん」
「だけどその子もアイツ好きになっちゃったの」
「え…?」
「まぁ…ど~でも良い昔話だけどさ。とにかく俺はアイツが好きだけどライバル視してるとこがあって。」
「………」
「だけどやっぱり春馬ほっとけないんだよね。」
「うん…」
「春馬ってあんな顔して遠慮しぃなんだよね。特に俺に対しては。」
水梨くんは少し笑った。
「マジで馬鹿なんだよな…。俺は対等にしてくれた方が嬉しいのに。」
「………」
「マジで俺のことなめてんの。だから今回は俺遠慮しなかった。」
「………」
だんだん水梨くんの話が見えなくなってきた私に
水梨くんはふっと微笑んだ。
「アイツもうすぐここ来るよ。散々はっぱかけたから」
「…え?」
「これで来なきゃ、マジで殴る」