俺はお前だけの王子さま
私も好き――…


言ってしまった。


“好き”と言葉にした瞬間
もっと好きになった気がした。


好き……

王子くんが好き


恥ずかしくて
王子くんの顔が見れないよ…


そんな私に
王子くんは呟いた。


「さっき…」


「え?」


「さっき…ヒロキにキスされてたろ」


「え?ちが……」


誤解してる王子くんに私が顔を上げると


王子くんの大きな右手が私の頬を包んだ。


そのまま、

私の心を覗くような視線で私を見る王子くん。


「渡瀬がヒロキと付き合ってんの、本当はすげ―嫌だった…」


王子くんは包んだ手の親指で
私の唇に触れる。


唇をぷに…と押されて
心拍数が一気にあがった。



「俺、こんなに何かを独占したいとか思ったの初めて。」



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