俺はお前だけの王子さま
王子 春馬・side
足りない
最寄り駅についた頃には辺りはかなり暗くなっていた。
俺は渡瀬を家まで送り届ける。
「この辺までで良いよ?」
途中、何度も何度もそう言う
渡瀬。
「…それもう聞き飽きたから」
まじで遠慮の塊みたいな奴だ…
ボロアパートの前までつくと
渡瀬は俺を見上げた。
「ありがとう。でも…ごめんね?結局ここまで来させて」
この期に及んで謝る渡瀬。
「別に…マジでいいから」
「うん…ありがと」
そして少し沈黙。
名残惜しいってのは、こういう瞬間のことか…。
俺は海風で少しパサついた渡瀬の髪に触れた。
細い髪に指を絡ませると渡瀬は少しためらいがちに俺を見つめる。
うるうるした渡瀬の目
なんだ?これ…
ユキナの一件から
今まで女が触れてくると吐き気がしてたのに。
さわってもさわっても…
なんか足りねぇ。
俺は渡瀬を家まで送り届ける。
「この辺までで良いよ?」
途中、何度も何度もそう言う
渡瀬。
「…それもう聞き飽きたから」
まじで遠慮の塊みたいな奴だ…
ボロアパートの前までつくと
渡瀬は俺を見上げた。
「ありがとう。でも…ごめんね?結局ここまで来させて」
この期に及んで謝る渡瀬。
「別に…マジでいいから」
「うん…ありがと」
そして少し沈黙。
名残惜しいってのは、こういう瞬間のことか…。
俺は海風で少しパサついた渡瀬の髪に触れた。
細い髪に指を絡ませると渡瀬は少しためらいがちに俺を見つめる。
うるうるした渡瀬の目
なんだ?これ…
ユキナの一件から
今まで女が触れてくると吐き気がしてたのに。
さわってもさわっても…
なんか足りねぇ。