俺はお前だけの王子さま
《で?で?》


「…そんだけだよ」


そう言いながら、俺は渡瀬の胸をさわってしまった手のひらを見た。


《はぁ?ショボっ。そこは、もっといっとけよ~。浜辺にビキニの愛子ちゃんがいて、お前どんだけ枯れてんだよ~》


「…………」


《はぁ~…やっぱり俺のレクチャーが必要な時?》


「いや…むしろお前の思考回路をみてもらう時だろ」


電話の向こうで笑うヒロキ。


《そいや今度、春馬ん家に行ってい?》


「あぁ…恒例の」


ヒロキは小学生の時から毎年、俺の宿題を写しにくる。


《そうそう。ついでに4人で集まろうぜ♪》


「あぁ…山ちゃんも丁度会いたいとか言ってたかな」


《んじゃ決定な~。山ちゃんにいつものケーキ頼んどいてよ♪俺マジ好きなの。》



その日の夜遅く

ヒロキから日にちが決まったとメールがきた。


翌朝、俺は山ちゃんに伝えた。


「ちなみにヒロキ以外の2人は女だから…」


「え?そうなんですか?」


「一応…」


俺の返答に山ちゃんは何故か
張り切っていた。


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