俺はお前だけの王子さま
俺がリビングに行くと山ちゃんがヒロキの好きなケーキを作っていた。


「春ちゃん、おはようございます」


「…はよう」


寝癖がついた頭でテーブルに座る俺に紅茶を出す山ちゃん。


俺はハムエッグが乗ったトーストをたいらげると適当に身仕度をした。


「んじゃ…迎え行ってくるから」


ヒロキが俺んち知ってるから
俺の迎えは別に必要ないけど。


玄関で山ちゃんに見送られ
俺は駅に向かった。







駅に着くとすでに3人がいた。


たった数日ぶりのはずなのに

娯楽に飢えてた俺は、なんだか久しぶりに会ったような気になる。


「おっせーよ」


開口一番にヒロキに小言を言われた。


「………」

まだ約束時間前だっつうの…


「おはよ王子くん。今日は本当に私までお邪魔しちゃって良いのかなぁ?」


夏木が俺を見て申し訳なく首をかしげる。


「あぁ、別に。つか、山ちゃんが連れて来いって。」


「山ちゃん?」


「あ~…うちの家政婦」


「え?王子くんち家政婦さんいるのぉ?!」


「まぁ…一応…」


すご~い、とテンションが上がる夏木。


「はいはい、まぁとりあえず行こうぜ♪」


ヒロキの声に
俺たちはそのまま家に向かって歩きだした。


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