俺はお前だけの王子さま
リビングで山ちゃんのケーキを食べ終わると俺たちは2階に上がった。


「ほらよ」


俺は自分の部屋の机の上に夏休みの課題を出した。


「お、サンキュー♪」


ヒロキはいそいそと課題を写し出す。


「え?なにやってるの?もしかして課題写しちゃってるの?」


「あ、バレた?」


爽やかに微笑むヒロキに信じられないという顔をする夏木。


「加奈子ちゃんも部活で忙しいんだし一緒に写しちゃおうよ?」


「私はそんなことしないもん」


「じゃあ俺の写すの手伝ってよ?」


「えぇ?!」


おいで、と笑顔で夏木を呼ぶヒロキに

夏木は怒りながらも頬を染めている。




俺はそんな2人を残して渡瀬の手をとりそのままそっと部屋を出た。


少しびっくりしている渡瀬。


「あいつら2人にする間に家、案内してやるよ」


「あ、そうだね…」


ヒロキはまだ渡瀬が忘れらんねぇだろうけど…


俺にはヒロキに夏木はお似合いな気がしていた。


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