俺はお前だけの王子さま
「春馬くんっおはよう」


校門をくぐればいつものように女子が笑いかけてくる。


「………」

ちらみして
俺はそれを無視して歩く。

今のは無いな。


「春馬くん、今日空いてる?」


別の女子。

綺麗なロングヘアーが揺れる。
こいつはまぁ、いいかな。


「別にいいよ。」


俺はスタスタと歩みを止めずに
それだけ言い放つ。


こんな冷たい言い方なのに
喜んでしっぽを振ってる。

馬鹿っぽい笑顔。

やっぱナシだったかな。


「じゃあ放課後教室に行くねぇ」


甘い声が後ろから聞こえる。

返事はしない。

気が乗ったら待っててやるよ。



いつもの光景。


< 3 / 558 >

この作品をシェア

pagetop