俺はお前だけの王子さま
「むしろ渡瀬のアパートは一般以下にボロいけど…山ちゃんは何が言いたい?」


「っ!」


俺の言葉に渡瀬は
ヒドイよ~って顔で訴えてきた。


真実だろ…


「そうですか…」


山ちゃんは少し考えるような仕草をしてから俺を見た。


「ではなおさら…明日からでも渡瀬さんにこちらへ通って頂ければ、と思うのですが。」


首を傾げる俺に山ちゃんは続ける。


「いえ…毎年この時期はもうすぐご両親が帰国される時期ですので…。」


俺はここでようやく山ちゃんの言いたい事を理解した。


「あぁ―…。」


俺が渡瀬を見ると、
渡瀬は意味がわからず不安そうな瞳をしていた。


俺はそんな渡瀬の頭をぽんとやる。


「渡瀬が通えば…山ちゃんが面倒みてくれんの?」


俺の言葉に山ちゃんの笑顔が輝いた。


「えぇ、もちろんで御座います。」



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