俺はお前だけの王子さま
「ど…どういう事?」


ここで俺は渡瀬に状況の説明をしてやった。


「つまり…俺の親に会う前に渡瀬にマナーを覚えて貰おうかって話」


「えぇ?!」


驚く渡瀬に
山ちゃんも補足に入る。


「春馬さんのご両親はお優しい方ですよ。渡瀬さんも十分素敵な女性です。ただ、春馬さんの大切な女性なので…私はお二人がより上手くいくお手伝いをさせて頂きたいのです。」


そういうと山ちゃんは深々と頭を下げた。


やんわり言い方を濁した山ちゃんだけど。


多分、山ちゃんの指導なくして渡瀬は認めてもらえないだろう…


渡瀬は礼儀正しい奴だけど


一般的な挨拶とか、そういうのとは根本的に話が違う。



渡瀬は慌て俺を見た。


「私…どうしよ?」


「とりあえず…俺んちは通えんの?」


俺の言葉に渡瀬は戸惑いながらも頷いた。



「んじゃ決定」




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