俺はお前だけの王子さま

トクン…

王子くんに見つめられて鼓動が高鳴る。


「渡瀬…」


「………」


捕まれた手首に少し力が加わった。


王子くんのまつげが揺れる


王子くん―…


そのまま手首を優しく引っ張られ、床から私の腰が浮いた。


私が膝立ちになるのと同時に

王子くんが肘をついて体を少し起こす。


「あ…っ」


顔が近づいたと思ったら―…


「ん…」

そのまま優しく唇が塞がれた。


同時に胸の奥が甘く痺れる。


お…王子くん…



舌は絡ませずゆっくりと唇を食べるように

優しくキスをする王子くん。


王子くんの熱い吐息に頭がクラクラしてくる。


私…


キスなんて初めてだし全然わからないけど…


王子くんのキスは魔法みたい…


甘い媚薬みたいな魔法のキス…



「渡瀬…?」


王子くんに名前を呼ばれても
頭がぼんやりして反応出来ない…


そんな私に

王子くんは少し口元を緩めて


もう一度口付けをした。


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