俺はお前だけの王子さま
もうひとつの王子くん
―――…
「うわぁ…王子くんと水梨くん可愛い」
「別に…普通だろ」
音楽を聴きながら、私は王子くんにアルバムを見せてもらった。
今見ているのは小学校のアルバム。
「水梨くんとは小学校から一緒だったんだね」
机を挟んで向かいに座る王子くんは、私の言葉に少し頭をかいた。
「…俺が私立に落ちて。公立に行ったらヒロキがいた。」
「え?王子くん小学校から受験したんだ?」
少し驚く私に王子くんは素っ気なく頷いた。
そっか…
お金持ちなら小学校受験とかもあるのかぁ…
なんか本当に大変なんだな。
「…中学は受験しなかったの?」
私は遠慮がちに聞いてみた。
「…親は受験しろっつったけど…」
「うん?」
「………」
ここで何故か王子くんは少し赤くなった。