俺はお前だけの王子さま
《実はさ…フラれた日に加奈子ちゃんがずっと傍にいてくれたんよな》


「そうか」


《めっちゃ優しくてさ…なんか愛子ちゃんと加奈子ちゃんて、そゆとこ似てるよな》


「まぁ…そうか」


《うん。俺、加奈子ちゃんいなかったらあの日海に身投げしてたかも》


それを俺に言うか。


「……悪かったな…」


《ははは♪まぁしゃあねえもんな。あ!てか、勘違いすんなよ?愛子ちゃんの代わりに好きになったとかではないからな?》


「あぁ、わかるよ」


《ん。まぁまた詳しくは直接話すわ》


「いや…別にいいわ」


だいたい分かったし。

もうめんどくさい…



そんな俺にヒロキは突っ込む

《いや、そこは聞けよ》


「てか…もう寝たい」


《あ、んじゃ俺も寝るわ♪》


「………」


ヒロキはそのまま上機嫌で電話を切った。


嵐が去った携帯を放って俺は
ベッドに横になった。


ヒロキと夏木か…

これ…渡瀬はやっぱ喜ぶよな。


暗くした部屋で
俺はそんな事を思いながら眠りについた。



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