俺はお前だけの王子さま

親父からのプレゼント

翌朝

俺がリビングにおりると両親の大量の荷物が運び込まれていた。


うちの誰かが帰宅する度に毎度のことだけど…


離れは一時的に荷物置き場と化し、山ちゃん他複数の家政婦がせっせと仕分け作業をしていた。


秋にはまた出ていく癖に…

つかの間の帰宅でなんなんだよ
この荷物の量は


寝起きの頭でぼんやりと眺めつつ、俺がうんざりしていると


「あら、春ちゃんおはようございます。旦那様と奥様は本家にいらっしゃいますよ」


俺に気付いた山ちゃんがニッコリ微笑んだ。


「朝食も本日はあちらにご用意してあります」


「…わかった」


俺は相槌を打ち

適当に顔だけ洗うと本家の方へ向かった。



本家のリビングに入ると

日本庭園を見渡せるソファーで親父と母親が食後の紅茶を飲んでいた。



「…お久しぶりです」


数ヶ月ぶりの対面。



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