俺はお前だけの王子さま
「…………」


「お前にはいずれ本社を継いでもらうからな。その為の社会勉強だ。最初だから難しいだろうが、必死でやりなさい。」


俺は頭をかいた。


「…俺、あっちに住むわけ?」


「高校を卒業したらな。」


「………」


どんな形であれ、いつかこんな日が来ることは俺は予感していた。


だけど…


「アメリカってのは予想外だな…」


小さく息を吐く俺に親父は言う。


「海外で頑張ることは必ずお前の力になるよ。可愛い息子には旅をさせないとな。」


「………」


「あと1年半は、事業への理解と語学を中心に家庭教師を切り替えて勉強すると良いだろう」


「…プレゼントってのはこの話?」


「そうだ」


親父はにっこり笑った。




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