俺はお前だけの王子さま
王子くんは私の上から退くと、私の隣にゴロンと仰向けになった。


「はぁ…あっつ―」


襟口をパタパタさせながらもう片腕で額の汗を拭う王子くん


そんな姿にすらドキドキする私


私は王子くんの隣で仰向けになったまま、動けなかった。


「な…んで?」


どうしたの…?


なんで途中で?


もう良いの…?


そんな私に王子くんは腕で目元を隠したまま答えた。


「ふと…思い出して」


「え?」


「………」


王子くんの耳が少し赤くなったのがわかった。


「…アレ忘れたから出来ねぇ」


「え?」


アレ?



< 344 / 558 >

この作品をシェア

pagetop