俺はお前だけの王子さま
「あ…お母さ…ごめん。うるさかった?」


渡瀬母の登場に心配そうな顔をした渡瀬。


そんな渡瀬に渡瀬母は優しく首を振る。


そして俺を見て微笑んだ。


「大丈夫なんだけど…王子くんよね?お久しぶりです」


「あ、はい」


「愛子から色々話は聞いてるんだけど。いつも愛子がお世話になってます」


丁寧に頭を下げる渡瀬母に
俺も頭を下げる。


渡瀬母は優しく微笑んだまま続けた。


「何か重要なお話?」


「あ…はい」


俺の言葉に渡瀬母は少し考える素振りを見せた。


「それなら、立ち話もなんだし…王子くんさえ良ければだけど。今夜は王子くんのお宅に行っても良いわよ」




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