俺はお前だけの王子さま
「実は俺…卒業したらアメリカ行くことになって」


「…アメリカ?」


渡瀬の目が少し大きくなる。


「あぁ。」


「それって、りゅ…留学とか?」


「いや、留学っつうか…」


俺は少し苦笑した。


留学とかなら良かったんだけど


それならいちいち、言うのにこんな苦労しねぇのに…


「留学じゃないの…?」


俺は戸惑う渡瀬に親父から聞いた仕事の話を聞かせた。








―――…


話を終えると渡瀬はポカリとしていた。


そりゃ当然か…


「な…なんか…すごい話だね」


渡瀬は絞り出すように声を出した。


「…まぁな」


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