俺はお前だけの王子さま
改めてきちんと見ると…


ご両親はもちろんのこと、王子くんも親の前ではきちんとしていた。


いつも緩めにしてある制服のネクタイも今はきっちり締めている。


きれいにシワが伸びたカッターシャツにすっと伸びた背筋。


淡々とご飯を口に運ぶその動作すら


純粋に綺麗だった。


ただの焼き魚を食べる姿が…
こんなに優雅な人初めて見たよ…!


改めて王子くんが…

そして王子くんのいる場所がとんでもない場所なんだと思い知らされる。


高校ではけして見せないけど
確かに王子家の王子くんがそこにいた。


普段あんななのに…

きちんとするとやっぱり様になってる。


それが出来る人なんだ…


それに比べて…
やっぱり私は庶民。


とりあえず山田さんから学んだことを意識してる。


姿勢や座り方、指先まで意識してる


だけど…

山田さんに教わったことが頭ではイメージできても、動きがついていかないよ…。


魚の骨をお箸でちみちみよけながら


私は自分だけがすごくガサツなような気がした。


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