俺はお前だけの王子さま
恥ずかしい…

ほんと私、場違いだ…


お父さんに昨晩言われた言葉が甦る…


言われても仕方ないね…



そんな時だった。

ふとお父さんが私に話しかけてくれた。


「渡瀬さん…どうしたの?」


「え…?いえあの…ちょっと考え事をしていて」


いつの間にか暗い顔をしてしまってた?


私は慌て顔を上げた。


そんな私にお父さんは言う。


「いや、そうじゃなくて…」


お父さんはまじまじと私を見た


「昨日の渡瀬さんとは…別人の様に見えるから。昨日よりきちんとされているから、どうしたのかな?と思ったんだ」


え…?


お父さんに観察するように見つめられて

私はお箸をもつ手が少し震えた。


「きちんと…出来てますか?」


私はお箸を箸置きに置くと
お父さんを見た。


「ん?まぁ出来てるかと聞かれたら出来てないんだけどね。」


そう言って、はははと笑うお父さん。


「出来てはいないんだけれど…なんというか昨日とは違うように見える」


お父さんの言葉に
私はなんだか鼻の奥が熱くなった。


こんなに何も出来てないのに…

それでも少しは気付いてくれた…


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