俺はお前だけの王子さま
「どっちから告白したの?」


「羨ましいなぁ~」


休み時間のたびに質問にあう私や加奈子。


こういうの慣れてないから困っちゃうけど…


直接、質問攻めにしてくる子はだいたい好意的に聞いてくれるから


私や加奈子も笑顔でいられた。






本当に困るのは――…




「あ、まただ」


「え?また?」


まただ…と呟いた私を加奈子が見た。


「うん。もうやんなっちゃう」


移動教室で机を離れていた間に、また手紙が入れられていた。


別れろ、とか
調子に乗るな、とか
男好き、とか


そんな内容の手紙。



救いだったのは、悪意は加奈子よりも私に多く向けられたこと。


水梨くんとの噂の後に王子くんとだから。


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