俺はお前だけの王子さま
「だけど…本当にいいの?」


「一緒にいたいっつったのは
渡瀬だろ」


え??

あ…!

昼間の最後の言葉?


あれは別に今日限定の意味での“一緒に”ではなかったんだけど…


だけど首をかしげる王子くんに
今さら違うとか言うのもだし…


私は言葉を飲み込んだ。


そしてもう一度王子くんを見た


「今日…家庭教とかはないの?」


王子くん、無理してない?


心配する私に王子くんは困ったように口元を緩めた。


「…萎えること言うなよ」


王子くんは私の手を取ると少し強引に歩き出す。


「………っ」


手をつなぐのも久しぶりでドキドキする。


そんな私に


「家庭教があったとしても渡瀬のが大事だろ」


「………」


王子くんの言葉に涙が出そうになった。


王子くん…どうしよう


大好きだよ



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