俺はお前だけの王子さま
久しぶりの王子くんの家。


やっぱりスゴ過ぎて何度みても慣れない。


ご両親はいないけど、それでもやっぱり緊張してしまうよ。


私と王子くんは離れに入ると
そのまま王子くんの部屋に行った。


お泊まりをした、あの日以来の部屋。


王子くんは気だるくベッドに腰を落とす。


「………」

「………」


何となくお互い無言で

何となくソワソワしてしまう私


座ることもできずに立ったままの私は

そんな気持ちを隠すように部屋の中を見渡した。


そしてふいに視線がいったのは
王子くんの勉強机。


机の上には山積みになった専門書があった。


やっぱり…あんなに毎日頑張ってるんだ



私の視線に気付いた王子くんは腰をあげると立ったままの私の腕を引いた。


「…今日は色々考えんの禁止」


そう言って、
王子くんは私を抱き寄せた。


「あんた心配症すぎだしな」


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