俺はお前だけの王子さま




熱く欲情した唇も



優しくふれる大きな手も



少し汗をかいた黒髪も


時折その隙間から私を見つめる
甘くて切ない視線も



全部が私を溶かしていった。



王子くんに媚薬の魔法をかけられていくように


私が私じゃないみたいになる…




恥ずかしくてずっと顔を隠していた私


最後は泣いてしまった私



そんな17歳の私を、最後に優しく抱きしめた王子くん。



今だけは
王子くんしか見えないよ



王子くんの腕の中で

甘ったるい幸福と痛みに包まれながら



女の子に生まれて良かったって思った。







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