俺はお前だけの王子さま
「おい、寿司で良いだろ?」


すっかり暗くなった帰り道、
王子くんはお寿司屋に寄った。


夕飯を作る時間がなくなった私にお寿司を買ってくれるらしい。


お寿司、3人前で万札が出た。


思わず目が点になる私。


「え?い…いいよ!高すぎるよ」


「あ?渡瀬が払う訳じゃねぇんだから良いだろ」


「…だから余計に遠慮してるんだけど」


「はぁ?」


王子くんは結局そのまま強引にお寿司を買った。


うちのアパートの前までくると王子くんはぶっきらぼうに私にお寿司を渡す。


「…誕生日くらい体に良いもん食っとけ」


「あ…ありがとうございます」


お寿司を受けとる私は王子くんに頭を下げた。


私どんだけ貧乏だと思われてるんだろう…


別に普段からちゃんと食べてるんだけどな


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