俺はお前だけの王子さま
「あ、あと送ってくれてありがとう」


「別に…」


街灯に照らされた王子くんは
素っ気なく返事をする。


もう完全にいつもの王子くんだ


どっちの王子くんも大好きだけど…


「さっきとは別人みたい…」


「は?」


思わず呟いた私の台詞に

王子くんはびっくりしてから赤くなった。


そんな王子くんの反応をみて
私も赤くなる。


「あ…いや、ごめんつい…」


慌てて言い訳をする私。


「お前…なに考えてんの?」


「ご…ごめんなさい」


謝る私に呆れたように息をはく王子くん。


それから王子くんは改めて観察するように私を見た。


「そういう渡瀬も全然、違うけどな」


「え…?!」


王子くんは口元を少しゆるめると、じゃあなと言って帰って言った。





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