俺はお前だけの王子さま
「そんな目で見んなよ?名前を残すのは男のロマンっしょ」


ヒロキはへらへらと笑うと手を止めて、少し真面目な顔になって俺を見た。


「はぁ~でもマジで春馬と一緒にこんな馬鹿やんのも今日で最後だなぁ」


そう言うと視線を落としシャーペンをくるくると指で回した。


「なんか実感ないけど…明日には春馬いなくなるし…」


「お前はまたそういう…」


「いやいや、今は言わせろ」


ヒロキはもう一度俺を見上げた


「こんな機会じゃなきゃ言えねぇし明日はしんみりしたくないから今言うけど」


「…………」


「春馬、今までありがとな。こんな俺にずっと付き合ってくれて。」


そう言うとヒロキはペコッと頭を下げた。


「春馬がいなきゃ俺多分高校も辞めてたわ」


「…………」


「マジで春馬がいて良かった」


そして顔を上げたヒロキはにかっと笑った。


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