俺はお前だけの王子さま
「…………」


俺はそんなヒロキから視線を反らした。


馬鹿かこいつ…


「お前…やっぱうざいわ」


「はは、知ってる♪」


「んなのいちいち言わなくても…」


俺は少し考えてから頭をかくと机から腰をあげた。


そして改めてヒロキの正面に腰を落とした。


ヒロキの顔を正面から向き合って見る機会は考えたらあまりなかったな…


「俺こそ………」


「おう?」


「俺こそいろいろ、あ…」


「あ?」


「あ……」


「ん?」


「…………」


口ごもる俺を見てにやにやするヒロキ。


俺はそんなヒロキの頭を殴った


「いてッ」


ヒロキが大げさな声を出す。


「おま、ひでぇ~」


頭をこすりながら爆笑するヒロキを見て


言えるかよ…。


「あほか。もう帰る」


俺は鞄を持つとぶっきらぼうに立ち上がった。


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