俺はお前だけの王子さま
渡瀬 愛子・side

別れの日

晴れ渡った空の下――…


私たちの卒業式は無事にとり行われた。


通いなれたこの校舎とも今日でお別れだ。


教室に戻ると、卒業証書を片手に友達と写真をたくさん撮った。


私はクラスの離れた加奈子にも会いに行く。


加奈子の目にはばっちり泣いた後があった。


そういう私の顔も泣いているんだけど…


私と加奈子はお互いの顔を見て笑いあった。


「校歌唄う時が一番やばかったし」


「わかる~私もそこでいっぱい泣いたよ」


大学に進む加奈子とは、その気になればいつでも会える。


だけど高校生の加奈子とはもう会えないんだ。


加奈子と過ごした3年間。


辛いことも嬉しいことも全部、加奈子が一緒だった。


私にできた、初めての親友。


加奈子への感謝を思うとまた泣けた。


「また泣くのぉ?」


「うぅ~加奈子だって…」


「だって愛子が泣くからぁ…」


「ぷくく…ぐす…」


私たちは少し泣きながら一緒に笑った。



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