俺はお前だけの王子さま
遠くを見たまま無反応な王子くん。



やっぱり駄目かな…。

うちなんか来たくないよね。



私が諦めて俯いたところで
ぶっきらぼうな声がした。


「…気が向いたら」


「…え?」


私が顔を上げると王子くんはまだそっぽ向いたままだった。


「だから…気が向いたら行ってやるっつの」


「………」




苛立った声とは反対に


王子くん…


私の気のせい?





耳が赤いよ…


相変わらずダルそうに壁にもたれる王子くん。


「…………」

なんだ。

なんだ王子くんって…


「ふふっ」


「…あぁ?」

思わず笑みが溢れた私を王子くんが睨み付けた。

だけどもう…怖くない。


「ううん。ありがとう」

王子くんと目を合わせて言う。


この人、怖いのは態度だけなんだ。


すっごく不器用だけど…




笑う私に

「………うざ」


王子くんはそれだけ言うと教室に戻っていった。


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