俺はお前だけの王子さま
車は一度王子くんの着替えの為に家に寄った。


王子くんが家に入るのと入れ替わりに山田さんが見送る為に出てきた。


王子くんを待つ間―…


不安な私の心中を察したのか、山田さんが優しい笑顔で話しかけてきた。


「怖いですか?」


「………」


「大丈夫。また会えるんだから」


「………」


ゆっくりと私の頭を撫でる山田さんの優しさに


「っ……」


涙がこぼれ落ちそうになった。


私は唇をかみしめた。


まだ泣いたら駄目…







「お待たせ」


王子くんが戻ってくると、車は山田さんに見送られ空港に向かって再び走り出した。


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