俺はお前だけの王子さま
「だけどヒロキくんはすぐに結婚したいって言ったんでしょ?」


「うん」


「プレッシャーもあるだろうけど…加奈子の存在があるから余計に辛くても頑張れるかもよ」


「そうかなぁ」


「うん。加奈子だって仕事でもし辛くても家に帰ればヒロキくんがいるって思えば…もしかしたら良いんじゃないかなぁ」


「そうかな?」


「うん。少なくとも私はそうだったかな」


あの頃、辛くて何度も何度も
王子くんに抱きしめて欲しいと思った。


王子くんが恋しかった。


当時を思いだし少ししんみりしてしまった私に

逆に加奈子が気遣う。


「愛子、辛そうだったもんね…ゴメンね、贅沢な悩みだよね」


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