俺はお前だけの王子さま
加奈子と別れた後、帰り道を歩きながら空を見上げた。


澄んだ冬の夜空には綺麗な半月が浮かぶ。


白い息を吐きながら私はぼんやり王子くんを想う。


時差は14時間…NYは今早朝のはず。


王子くんはもう起きたかな?


まさか遅刻はしないだろうけど寒いとなかなか起きれないよね。


私は仕事終わりのこの時間が好きだった。


私の1日が終わろうとする頃に王子くんの今日が始まる。


同じ世界にいるはずなのに不思議な感じがする。


ゆっくり歩きながら王子くんを想う。


王子くんに逢いたい――…



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