俺はお前だけの王子さま
翌日は土曜日。


「行ってきま~す」


私が玄関を開けるとお母さんが見送りにきてくれた。


「気をつけるのよ」


お母さんは3年前に、当時働いていた工場の取引先の男性と再婚した。


相手の男性はお母さんより少し歳上の新垣(にいがき)さん。


優しくてダンディーな部長さん


それを機にお母さんは仕事を辞めて私たちは新垣さんのマンションに移り住んだ。


「山田さんによろしくね」


そう言いながら玄関先で優しく微笑むお母さんは再婚してから少しふっくらして幸せそう。


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