俺はお前だけの王子さま
「うん、行ってくるね」


私は笑顔でマンションを後にした。


週末はだいたい王子くんの家に出かけている私。


あの夏休みのように山田さんに色々な事を教えてもらう為。


私のお願いを山田さんは快く承諾してくれたんだ。


王子くんの家に行く途中、前に住んでいたアパートを横切る。


小さくて古いアパート。


今のマンションはすごく綺麗だけど、このアパートには王子くんとの思い出もたくさんある。


お母さんと勇気と3人で頑張ってきた場所でもある。


住んでいた部屋のドアを見るといつも少し切ない気分になるんだ。



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