俺はお前だけの王子さま
最終便で帰る――…


ズキ…ン

王子くんの台詞に目の前が少し暗くなり胸が鈍く締め付けられた。


浮かれた気分が沈んでいくような…


だけど

期待してた訳じゃない。

忙しいのも分かってる。

分かってるから。


「そっかぁ」


私はなるべく気持ちを悟られないように返事をした。


「ん…悪いな」


「ううん。忙しいの?」


「あぁ、翌日に大事な商談を控えてて…」


「そっか。うん、仕方ないよ!商談なんて大変だね。がんばってね!」


がんばってね


私は自分に言い聞かせるように言った。


がんばってなんて…

王子くんはもう十分頑張っているのに。


頑張らなきゃいけないのは私の方なのに。


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