俺はお前だけの王子さま
いよいよ…加奈子の番だ。


私は加奈子との今までを静かに思い出していた。


どんな時も私の傍にいてくれた優しい加奈子。


大好きな、大好きな加奈子。


静寂に包まれた教会に
荘厳なパイプオルガンの音色が優しく響き渡った。


同時に大きな扉が開かれ暗い教会内に一筋の光の道ができた。


射し込む光の中には純白のウェディングドレスの加奈子。


「加奈…子…」


加奈子の姿を見た瞬間、涙が溢れ出た。


加奈子があまりにも綺麗で…


綺麗すぎて


バージンロードをゆっくりと進む加奈子。


今までみた加奈子の中で、一番綺麗な加奈子。


その加奈子の歩む道の先には
水梨くんがいる。


水梨くんの瞳は遠目からも優しさで溢れているのがわかった。


ベールに包まれた加奈子を優しく見つめる水梨くん。


私はそんな二人を見て心から思った。


良かったね……

本当におめでとう。


感動で涙はいつまでも止まらなかった。




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